内科

生活習慣病

生活習慣病

生活習慣病にかかると全身の血管に動脈硬化をもたらします。 そして腎臓の血管にも動脈硬化が起こり、腎臓の機能が悪化します。
このため早期に発見し、改善をして腎臓機能の悪化を予防することが重要です。
生活習慣病の高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満の組み合わせは死の四重奏と呼ばれています。
これは自覚症状がほとんどないまま、動脈硬化が静かに進行して、ある日突然に心筋梗塞や脳梗塞などになるためです。

1. 糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンは、血液中のブドウ糖を体の細胞にエネルギー源として取り入れる役割を果たしています。
このインスリンの量が不足したり、インスリンの作用が減弱したりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、
血液中のブドウ糖濃度(血糖値)がだんだん高くなります。

AGE(終末糖化産物)はタンパク質と糖が結合された物質で、過剰な血糖によって作り出されます。
血管壁にできたAGEは動脈の弾力性を低下させ、動脈硬化を起こし。血管を脆く切れやすくします。
また、AGEは最近の研究で認知症、骨粗鬆や老化に関係があるとされています。
このため、高血糖とその副産物であるAGEを増やさない食生活が大切です。


2.脂質異常症

以前は高脂血症と呼ばれていました。血液中の中性脂肪、悪玉コレステロールなどが多い為に引き起こされる病気です。
余分な脂質は、血管を硬く狭くして動脈硬化を引き起こします。


3.高血圧症

高い血圧が続くと、血管に負担がかかって傷み、動脈硬化が悪化します。
そして徐々に心臓から血液を全身に送り出すのに大きな力が必要となり、 血圧がどんどん上昇し心臓が肥大します。
高血圧の原因は食事(高塩分)、たばこ、ストレスなどが考えられます。
たとえ症状を感じなくても、血圧が高いため治療が必要と診断された方は、動脈硬化を予防するために、
血圧を目標の範囲内に調節することが大切です。


4. 高尿酸血症

血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症が長い間続くと、尿酸の結晶が徐々に沈着していき、
痛風発作(関節炎)、尿路結石、腎障害,動脈硬化などが引き起こされます。


5.慢性腎臓病(CKD)

腎臓は背柱の両側に左右1対あり、ソラマメのような形をしています。
老廃物や過剰な水分を血液中から濾して、 尿として体外に排泄するはたらきをしています。

腎臓の働く能力が低下している状態を慢性腎臓病(CKD)といいます。
慢性腎臓病が進行すると腎不全という状態になり、放置すれば透析や腎移植が必要になることもあります。
慢性腎臓病の主な原因は生活習慣病です。
このため、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症)の管理をしっかり行い、腎機能の悪化するスピードをゆっくりさせます。